【臨床医学】ケトジェニック中におすすめな甘味料ランキングTOP3【栄養学】
甘いものが食べられないケトジェニックダイエット。いくら途中から糖質欲が減る(←詳しくはこちら)とはいっても、食事のバリエーションに甘味は欲しいですよね!!カロリーの無い天然甘味料と人工甘味料の影響を検討し、おすすめランキングを作成しました!!人工甘味料の危険性や逆に太る可能性については[文献1]※0をもとにして以下の記事にまとめました。
【現在執筆中です。】
この記事では、今わかっている情報をもとにケトジェニックダイエット中にも食べられる甘味料を紹介します!
※0 人工甘味料は危険というのは、現在(2019)のところ、臨床医学的には人工甘味料が健康に利害を与えるという研究には十分な証拠(エビデンス)がありません。つまり、害になる可能性があるかつ、利益をもたらす可能性があるということです[文献1]。
ケトジェニック中の甘味料の選び方ポイント
血糖値が上がらない
ケトジェニックダイエットにおいては、「インスリン濃度を上げない」ことが最も重要(血糖値を上げない)です[文献2]。
人間は砂糖などの甘いものを食べると体内に吸収されて血糖値が上昇します。血糖値が急激に上昇すると体が「血糖値を下げよう」としてすい臓がインスリンを分泌します※1。
なので砂糖や炭水化物は食べてはいけないのですね。ですが、逆に考えれば、「インスリン濃度を上げない」糖質は摂取OKということになります。
血糖値の上がらない甘味料として考えられるのは、人工甘味料[文献3]※2と、天然甘味料の一種のエリスリトール[文献4]となります。これらは基本的に体内に吸収されない(=血糖値そのまま)ため、インスリンが分泌されません(インスリンが濃度上がらない)。これは様々な研究で示されています[例:文献3]。
また、食物繊維に分類される「難消化性デキストリン」というものがあります。これは摂取することによってむしろ血糖値の上昇を抑えるということで、厚生労働省認定の特定保健用食品なんかにも用いられています。
意志が強い人はこのポイントを押さえればいいですが、自分は意志が弱い!!という方は次のポイントも重要です。
※1 インスリンは血糖値を下げたり体脂肪の合成を促進する効果があります。
[文献3] S. L. Tey, et al., Effects of aspartame-, monk fruit-, stevia- and sucrose-sweetened beverages on postprandial glucose, insulin and energy intake, 41 (2017) 450-457
※2 文献3にて、アステルパーム,ステビア,モンクフルーツ(ゼロカロリー甘味料)と比較用のショ糖を飲み物で摂取した実験で、これらを摂取してもインスリンが分泌しないことが明らかになった。
飲み物による甘味料摂取1時間後の昼食時にはゼロカロリー甘味料を摂取した場合のほうがショ糖を摂取した場合に比べてインスリン生成量が微増していた。これによりインスリンが出やすくなったと考えることも可能だが、ショ糖を摂取した被験者のすい臓がショ糖摂取時のインスリン分泌によって疲れているだけとも考えられる。
これについて正確に判断するには、ショ糖に加えてゼロカロリー甘味料を同時に摂取したケースの実験を行うべきであり、基本的にはゼロカロリーの甘味料は体内に吸収されないためにインスリンは分泌されないと考えてよい。
[文献4] Ishikawa, M., et al., J. Effect s of oral administration of erythritol on patients with diabetes. Regul Toxicol Pharmacol. 24(2) (1996)S303 – S308. (アブストラクトのみ読んだ)
甘いもの欲を促進しない
一部の人工甘味料には、摂取することによって「より糖分を欲してしまう」という事実が報告されています。これらの研究結果はエビデンスが不十分[文献1]なので信頼性には欠けますが、可能性がゼロでないのならば避けた方がいいでしょう。
現在最も用いられれいる人工甘味料がアセスルファムKやアスパルテームです。様々な「ゼロキロカロリー」製品に用いられています。しかしながら、これらの人工甘味料は、上記のようにより糖分を欲してしまうという研究も報告されています[文献1]。よってこれらの表記はどちらかというと避けた方がいいと思います。
ケトジェニックにおすすめ!甘味料ランキングTOP3
1位 エリスリトール
1位はもうこれしかありません。理由は以下の通り。
①インスリンが分泌しない
②おいしい(砂糖の味に近い)
③糖質の中でゼロカロリーと厚生労働省が規定※3[出典5]
④JECFA(WHO(世界保健機関)とFAO(国際連合食糧農業機関)による専門家委員会)が認可
⑤しかも、一日摂取許容量(ADI)の指定がない(つまり超安全)
⑥副作用ほぼなし、大量摂取でおなかが緩くなる副作用のみが報告されている
なんといっても、インスリンが出ないのでケトジェニック中も食べてOK!で、しかも、おいしいんです!砂糖の甘味とほとんど同じ味なので、通常の料理に用いても味に違和感がありません。(ただし溶けにくいので注意)ほうれん草のお浸しなんかを作ったりしています。少しの甘味で超おいしく感じますよ。
副作用の下痢については、日本人を対象にした研究では男性で0.66 g/体重1 kg,女性で0.80 g/体重1 kgまでは大丈夫。かつ、毎日の摂取でより許容量が増える。ざっくり40~50 gの摂取では下痢は起こらない。ということが明らかになっている[文献7]。
とにかく、おいしくて安全なのが一押しポイントです。自炊に用いるならこれ一択ですかね。
[出典5]食品表示基準について(平成27年3月30日 消食表第139号) 消費者庁
[出典6]WHOホームページ(JECFAによるエリスリトールの評価)
[文献7] Tsuneyuki Oku, Mitsuko Okazaki, Laxative threshold of sugar alcohol erythritol in human subjects, Nutrition Research, 16(4) (1996) 577-589 (アブストラクト、引用された論文のみ読んだ
2位 難消化性デキストリン
2位は難消化性デキストリン。甘味は弱いけれど、以下の特徴で選びました!
①食物繊維である
②インスリンの分泌を抑制する(血糖値の吸収を抑える)
③ただし、あまり甘くない
ケトジェニックダイエット中に安全と痩せるスピードアップのために最も大事な食物繊維であるため、ケトジェニックダイエットとの相性が非常に高いです。
しかも、インスリンが出ないだけでなく、インスリンの分泌自体を抑える効果まで持っています。これは、ほかに同時に摂取した糖質の吸収が緩やかになるためです。ケトジェニックダイエット中に糖質を食べ過ぎそうな場合は(飲み会などやむ終えず)摂取するのもいいかもしれません。
ただし、甘味がかなり弱いので(砂糖の1/10程度といわれている)惜しくも2位としました。
3位 スクラロースなど
人工甘味料の中でも日本でよく見かける3大甘味料がスクラロース、アセスルファムK、アスパルテームです。スクラロースなど、と書きましたが、結局この辺の人工甘味料は複数が混ざっていたりしますね。
JECFA(WHOなどの専門家会議)の評価をもとにした一日摂取許容量(ADI)は
甘味料名 | 一日許容摂取量 (mg / 体重 1 kg) |
---|---|
スクラロース | 15 |
アセスルファムK | 15 |
アステルパーム | 40 |
このように、WHOなどの機関によってこの量なら安全だと定められています。
これらの人工甘味料は基本的にインスリン増加を引き起こしません[文献3]。ただ、スクラロースは人工甘味料のなかで厚生労働省に0 kcal認定されています[出典5]。なので、スクラロースが一応上位にはあります。
結局のところ、ゼロキロカロリーといわれているようなものはほとんどカロリーがない。もしくは、カロリーはあるが、そもそも砂糖(正確にはショ糖)の200倍甘いとされるアセスルファムKなどは添加量もごく微量で、実質カロリーがゼロということになります。
ゼロキロカロリーゼリーなどによくこれらの人工甘味料が添加されているものが多いですが、このへんは食べてもOKということになります。
[出典8]WHOホームページ(JECFAによるスクラロースの評価)
[出典9]WHOホームページ(JECFAによるアセスルファムKの評価)
[出典10]WHOホームページ(JECFAによるアスパルテームの評価)
まとめ
ケトジェニックダイエットにおける甘味料についてお判りいただけたでしょうか。基本はエリスリトールを購入して自炊などに活用いただければいいと思います。
また、加工品を食べる場合は、人工甘味料については上記に示したものは気にせずに食べてよいと思います。これらの甘味料をうまく利用して、ぜひケトジェニックダイエットを成功させてくださいね!!
実際にやってみたいという方はまずこちらの記事をお読みください。↓↓
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